代表メッセージ

「一般社団法人 むろらん100年建造物保存活用会」(むろらん100年)のサイトをご覧くださいましてありがとうございます。

むろらん100年は、2014年、あと1年で100年になることを間近に取り壊しの危機にあった北海道室蘭市に現存する「旧三菱合資会社室蘭出張所」を買い取り、保存活用することから設立された社団法人です。この建物は、いまから約100年前の大正初期に、産業革命の主役”石炭”というエネルギーを積み出していた三代財閥のひとつである三菱によって、旧三菱合資会社時代に建てられたもので、北海道で唯一現存するものです。そして、夕張、空知の炭鉱から運ばれた石炭の終着駅「旧室蘭駅」(国指定重要文化財)から運ばれた石炭を分析し、東日本へ運んでいました。もともと三菱としての歴史もありますが、特に戦前戦中は国策会社・日本石炭、配炭公団の中核拠点として使用されました。

その意味で、「旧室蘭駅-旧三菱建屋」周辺に残る歴史的建造物エリアは、北海道遺産、日本遺産に残す価値のあるものだと考えます。
事実、日本製鋼所、新日鉄住金(旧輪西製鉄所)は、明治産業革命遺産に連なるものであり、これらと一体として、室蘭の歴史遺産を見るならば、その学術的な価値は大きくなるでしょう。

さて、歴史的建造物は、人々の記憶を呼び戻す空間であり、文化、経済、教育などにとってベースとなるこころの部分。世代を超えてつながるプラットフォームになりうる存在だと私たちは考えます。事実、この建物保存を契機に、さまざまな方からメッセージが届き、貴重な資料、経験談が得られるようになりました。

歴史的建造物の保存活用には、その価値を認知することが欠かせません。
そのために、その活動の1つとして、2015年に室蘭の石炭・鉄鋼の祖である井上角五郎のオリジナルガイド冊子を刊行し、雑誌、フリーペーパーなどで引用発信していただけたほか、室蘭の歴史が、北海道、日本の歴史と繋がっていること、そして、過去が現在につながっていることを認知するための講演会、まち歩きのほか、フォトカードの制作販売、そして、写真集、歴史ブックなどの著者を支援するなどの活動を続けております。

さらに、2017年2月北海道新聞社から地域げんき大賞を頂いたのを機に、私たちはそのミッションを「歴史と文化の薫るまち・むろらん」としました。
歴史と文化を大切にするこころがあるからこそ、建物、文化遺産を残すことができ、残す意味があります。

「歴史と文化の薫るまち・むろらん」というミッションでは、室蘭に眠る歴史を表に出すことで、北海道の中の室蘭を表に出していきます。
・室蘭の開祖、添田龍吉、泉鱗太郎

・函館から札幌までを結ぶ道・札幌本道をデザインした黒田清隆、ケプロン
・森蘭航路を通ったクラーク博士、イザベラバード、明治天皇
・室蘭教育の開祖、本多新
・鉄鋼の開祖、井上角五郎 などなど

このミッションを遂行するために、法人では、2018年の明治維新150年という節目に向けて、2015年から活動しています。最近の主な活動として、3つ挙げます。
①まち歩き・連続歴史講演会 :五感で感じ、生き証人から座談会形式で話を聞く形式です。
②誰でも歴史ミニ出版    :①の経験、又は個人的な調査・考えを数ページで出版。
③歴史商品・サービスPR支援 :老舗を中心に、まちの歴史を載せた商品・サービスをPR支援。

これらを活用し、ご年配者の経験の記録、学校教職員のオリジナル教材制作、学生の自分の足もと発見、室蘭の歴史が北海道内・国内につながっている思考・編集軸に活用していただき、国際人のベースをまちの文化に作っていこうと思っております。    

この法人は、創立してからまだ3年です。法人設立メンバー(理事)は、取り壊しの危機に建屋の価値をまったく違う角度から感じて出資し、法人を設立したメンバー。そして、それに共感し、まったく異なる専門から保存活用を考え参加してくださるメンバーがサポーターズメンバーです。現在、会員は、室蘭はもちろん、北海道、関東から京都まで各地の方、企業会員の方がいらっしゃいます。

「歴史と文化の薫るまち・むろらん」へ向けて活動を行っていきたいと考えております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

一般社団法人 むろらん100年建造物保存活用会 代表理事 村田正望