文化センターの保存活用に関する要望書

2022年11月28日、一般社団法人 むろらん100年建造物保存活用会から、室蘭市に提出した文化センターの保存活用に関する要望書です。

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文化センターの保存活用に関する要望書

前略

公共施設適正化の推進のうち、文化センターの保存活用に関して以下に、要望を述べます。

1.基本的な考え

室蘭で最初の学校「常盤小学校」が長く校舎を置き、室蘭の教育の祖である本多新氏の頌徳碑がある場所、それが、文化センターの敷地です。であればこそ、その場所に室蘭の教育と文化の殿堂である文化センターがあるのは、非常に意味深いことだと思います。

「歴史と文化の薫るまち・むろらん」を目指し、「建物の保存活用」を趣旨とする私たちとしては、室蘭の文化の象徴「文化センター」の廃止を選択肢に挙げること自体に極めて強い違和感を覚えます。文化を大切にしないまちに未来はありません。室蘭文化連盟の要望書提出の際、現段階で、建て替えは無理と言いますが、なぜ即答できるのか。なぜ体育館は建て替えの努力をして文化センターは努力しないのか。仮に現段階で建て替え予算がなかったとしても、まだ耐用年数があるのであれば、使えるだけ使うべきです。 

さらに、活用率が低くなったならば、財政的な観点から持続可能にするためにどうすべきか、また、昨年室蘭音楽文化協会(文協)が無くなったのであれば、その代替えをどうするかを検討する段階ではないでしょうか。人口対策のためにも、目指すのは、市民憲章にある、文化のかおりあふれるまち、人が輝く未来、誇り輝く室蘭ではなかったのでしょうか。文化を大切にしないまちで子育てしたいと思わないのが親ではないでしょうか。

2.室蘭文化連盟各団体の文化センターに関する要望書を読んで (添付参照)

 この要望書は、市長と教育委員会に提出されたものですが、人のこころの豊かさこそ、まちづくりの原点であり、「市民の文化」という重要なテーマを各文化組織が訴えているにも関わらず、市民の代理人である議会も見ることなく、既成事実化されることは、市民にとって大きな損失を生むと言わざるを得ません。また、他の団体にも意見をお聞きしました。

 文化センターの存在意義について。多々ありますが、上位4点。

(1)まず、日胆で唯一、オーケストラピットがある。

市民会館では、控室が少なく、大規模な演奏は行えないが、文化センターは、控室、リハーサル室が充実しており、文化水準の高い大規模な演奏が行える。

  ⇒西いぶりの中心市として、全道規模の催しが行える1000人規模のホールは必要

(2)まちの文化を象徴する緞帳、日本芸能で欠かせない、袖幕、花道の他、高い機能性がある。幼児・小中高校生の若者は、この緞帳の舞台のために鍛錬しているのです。

(3)施設の建造も、耐震対策も、市民の税によって行われ耐震はクリアしている。

(4)青少年研修センター、東会館、婦人センター、他に民間施設等が閉鎖となってきた

ため、リハーサル室は貴重。きらんは、防音設計無く活用できない。

2.むろらん100年建造物保存活用会が考えていること

(1)市民参加の文化センターの存続活用に関するワークショップ

 文化団体をはじめ、室蘭市民・西いぶり全体の市民全体に呼びかけ、西いぶりの中心都市にある、オーケストラピットもあり、小中高から大人まで活用している室蘭文化センターの存在意義、ビジョン、このような扱いを受けていることについて議論します。

(2)文協に代わる機能への検討 

市民に全国区の良質な文化演芸を提供することと、ホールの稼働率を上げて収益を高め、市の負担を軽減するために、1つの手段としてメセナ的な機能はどのように実現できるのか。西いぶりの中心市として、西いぶり各都市の関係者に対してもお聞きしていきたいと考えています。連携して文化センターを活用することも大切な視点です。この機能に関しては、市・市長が先頭に立って、正面から取り組んで頂くことを希望します。

(3)文化センターと周辺の経済連携の可能性の検討

 昔は、文化センターの周囲に喫茶店、レストラン、やきとりなどがあり、演奏会などで、高揚したポジティブな感情を活力にしたものですが、いまはお店も少なくなり、そのまま帰る人が多いのが現状です。それでも、いまも喫茶店、レストラン、やきとりなど飲食があります。そこに少しでも人が流れるように、例えば、チケット半券持参者には、少々のサービスができるシステムにし、それを例えば街づくり予算等で支援する。そういったシステムであれば、お店側との会話も弾むでしょう。文化センターから、美術館、科学館、図書館、文学館、体育館などは徒歩圏内です。スタンプラリーを含めアイデアで、人や市のやる気に、まちの灯りを感じることで、室蘭のファンが増え経済も活性化することでしょう。

3.お願い

 室蘭文化連盟の要望書に書かれていることはとても大事なことです。ぜひ、ご一読、再読いただき、この観点を含め、室蘭文化の象徴として、別枠で存続の検討をお願いします。これは、今後の室蘭をうらなう重要な試金石になると考えます。そして、西いぶりの中心市としての自覚を持っていただければと思います。

なお、この文書は、室蘭市長、副市長、総務部長・行政マネジメント推進課及び行政改革推進委員会各位、教育長・教育委員会、議長及び各議員に提出し、市民に公開します。